ツール・ド・フランスの賞金はいくら?ステージ優勝・ジャージ日当・山岳賞まで一覧で解説
この記事のポイント
ツール・ド・フランスの賞金は、総合優勝者だけに支払われるものではない。
ステージ優勝、総合順位、ポイント賞、山岳賞、ヤングライダー賞、チーム賞、敢闘賞、特別賞まで、3週間のレースのさまざまな場面に細かく賞金が設定されている。
2026年大会では、賞金総額はおよそ230万ユーロ。総合優勝者には50万ユーロ、ステージ優勝者には1ステージあたり1万1000ユーロが支払われる。主催者公式サイトでも、総額約230万ユーロ、総合優勝50万ユーロと説明されている。
※本記事では、便宜上 1ユーロ=185円 で日本円換算している。実際の金額は為替レートによって変動する。
ツール・ド・フランスの賞金総額は約230万ユーロ
ツール・ド・フランスの賞金総額は、約230万ユーロである。日本円にすると、約4億2600万円になる。
ただし、資料によっては「約230万ユーロ」と書かれていたり、「約257万ユーロ」と書かれていたりする。これは、直接の賞金だけを見るか、選手組合や再教育関連の負担分まで含めるかによって集計範囲が違うためである。2026年大会については、直接賞金が230万2800ユーロ、より広い集計では257万4991ユーロと説明されている。
金額だけを見ると大きいが、ツール・ド・フランスは21ステージ、3週間にわたる世界最大級の自転車レースである。しかも賞金は総合優勝者だけではなく、各ステージ、各賞、各チーム、各日のリーダーに分配される。
つまりツールの賞金制度は、「誰が最終的に勝ったか」だけでなく、「3週間のレースの中で、何が評価されているのか」を見るための仕組みでもある。
ステージ優勝の賞金は1万1000ユーロ
まず最もわかりやすいのが、各ステージの順位賞金である。
ツール・ド・フランスでは、各ステージの上位20人に賞金が支払われる。ステージ優勝は1万1000ユーロ。日本円では約204万円である。2位は5500ユーロ、3位は2800ユーロとなっている。
| ステージ順位 | 賞金 | 日本円換算 |
|---|---|---|
| 1位 | 11,000ユーロ | 約204万円 |
| 2位 | 5,500ユーロ | 約102万円 |
| 3位 | 2,800ユーロ | 約52万円 |
| 4位 | 1,500ユーロ | 約28万円 |
| 5位 | 830ユーロ | 約15万円 |
| 6位 | 780ユーロ | 約14万円 |
| 7位 | 730ユーロ | 約14万円 |
| 8位 | 670ユーロ | 約12万円 |
| 9位 | 650ユーロ | 約12万円 |
| 10位 | 600ユーロ | 約11万円 |
| 11位 | 540ユーロ | 約10万円 |
| 12位 | 470ユーロ | 約9万円 |
| 13位 | 440ユーロ | 約8万円 |
| 14位 | 340ユーロ | 約6万円 |
| 15〜20位 | 各300ユーロ | 約6万円 |
ステージ優勝は、ロードレース選手にとって非常に大きな名誉である。スプリンター、逃げ屋、パンチャー、クライマーにとっては、総合優勝よりもステージ1勝の方が現実的な目標になることも多い。
ただし、賞金だけを見ると約204万円である。世界中に中継され、チームやスポンサーに大きな露出をもたらす勝利としては、金額自体はそれほど大きくない。
そのため、ステージ優勝の本当の価値は、賞金そのものよりも、スポンサー露出、メディア露出、選手の市場価値にある。
総合優勝の賞金は50万ユーロ
ツール・ド・フランスの総合優勝者には、50万ユーロが支払われる。日本円にすると約9250万円である。
2位は20万ユーロ、3位は10万ユーロ。20位から160位までの完走者には、それぞれ1000ユーロが支払われる。
| 総合順位 | 賞金 | 日本円換算 |
|---|---|---|
| 1位 | 500,000ユーロ | 約9,250万円 |
| 2位 | 200,000ユーロ | 約3,700万円 |
| 3位 | 100,000ユーロ | 約1,850万円 |
| 4位 | 70,000ユーロ | 約1,295万円 |
| 5位 | 50,000ユーロ | 約925万円 |
| 6位 | 23,000ユーロ | 約426万円 |
| 7位 | 11,500ユーロ | 約213万円 |
| 8位 | 7,600ユーロ | 約141万円 |
| 9位 | 4,500ユーロ | 約83万円 |
| 10位 | 3,800ユーロ | 約70万円 |
| 11位 | 3,000ユーロ | 約56万円 |
| 12位 | 2,700ユーロ | 約50万円 |
| 13位 | 2,500ユーロ | 約46万円 |
| 14位 | 2,100ユーロ | 約39万円 |
| 15位 | 2,000ユーロ | 約37万円 |
| 16位 | 1,500ユーロ | 約28万円 |
| 17位 | 1,300ユーロ | 約24万円 |
| 18位 | 1,200ユーロ | 約22万円 |
| 19位 | 1,100ユーロ | 約20万円 |
| 20〜160位 | 各1,000ユーロ | 約19万円 |
総合優勝の約9250万円は、一般的には大きな金額である。
しかし、ツール・ド・フランスは3週間、3000km以上を走る世界最大級のスポーツイベントである。世界的な知名度や競技の過酷さを考えると、賞金だけで見ると意外に控えめとも言える。
一方で、完走者にも1000ユーロが支払われる点は特徴的である。ツールは勝者総取りではなく、パリまで走り切った選手にも一定の賞金が用意されている。
マイヨ・ジョーヌには「日当」がある
ツール・ド・フランスでは、最終成績だけでなく、その日のリーダージャージを着ることにも賞金がつく。
総合首位のマイヨ・ジョーヌを着る選手には、1日あたり500ユーロ。ポイント賞、山岳賞、ヤングライダー賞の各リーダージャージには、1日あたり300ユーロが支払われる。
| ジャージ | 対象 | 1日あたり | 日本円換算 |
|---|---|---|---|
| マイヨ・ジョーヌ | 総合首位 | 500ユーロ | 約9万円 |
| マイヨ・ヴェール | ポイント賞首位 | 300ユーロ | 約6万円 |
| マイヨ・ア・ポワ | 山岳賞首位 | 300ユーロ | 約6万円 |
| マイヨ・ブラン | ヤングライダー賞首位 | 300ユーロ | 約6万円 |
マイヨ・ジョーヌを1日着ると約9万円。ポイント賞、山岳賞、ヤングライダー賞のジャージは1日あたり約6万円である。
金額だけを見ると、世界最大級のレースのリーダージャージとしては大きくない。しかし、ジャージを着る意味は賞金以上に大きい。
毎日の表彰台に上がり、テレビ中継で映り、翌日のレースでも集団の中で最も目立つ存在になる。スポンサーにとっては、ジャージ着用そのものが広告価値を持つ。
つまり、リーダージャージの日当は「本当の価値」ではない。実際の価値は、表彰台、メディア露出、スポンサー露出にある。
ポイント賞の最終賞金は2万5000ユーロ
マイヨ・ヴェールで知られるポイント賞にも、最終順位に応じた賞金がある。
ポイント賞の最終1位には2万5000ユーロ。日本円では約463万円である。2位は1万5000ユーロ、3位は1万ユーロとなっている。
| ポイント賞順位 | 賞金 | 日本円換算 |
|---|---|---|
| 1位 | 25,000ユーロ | 約463万円 |
| 2位 | 15,000ユーロ | 約278万円 |
| 3位 | 10,000ユーロ | 約185万円 |
| 4位 | 4,000ユーロ | 約74万円 |
| 5位 | 3,500ユーロ | 約65万円 |
| 6位 | 3,000ユーロ | 約56万円 |
| 7位 | 2,500ユーロ | 約46万円 |
| 8位 | 2,000ユーロ | 約37万円 |
ポイント賞は、主にスプリンターが狙う賞である。
ただし、単にステージ優勝だけで決まるわけではない。各ステージのフィニッシュ順位に加えて、中間スプリントでもポイントを獲得できる。そのため、スプリンターはステージ終盤だけでなく、レース途中のスプリント地点も意識する必要がある。
中間スプリントにも賞金がある
中間スプリントは、ポイント賞争いのための通過点であると同時に、賞金が支払われるポイントでもある。
1位通過は1500ユーロ。日本円では約28万円である。2位は1000ユーロ、3位は500ユーロである。
| 中間スプリント順位 | 賞金 | 日本円換算 |
|---|---|---|
| 1位 | 1,500ユーロ | 約28万円 |
| 2位 | 1,000ユーロ | 約19万円 |
| 3位 | 500ユーロ | 約9万円 |
中間スプリントでは、ポイント賞のためのポイントと、通過順位に応じた賞金の両方がかかる。
逃げ集団の選手にとっては、小さな賞金を獲得できる場面でもある。一方、マイヨ・ヴェールを狙うスプリンターにとっては、1ポイント差が最終順位を左右する可能性もある。
ポイント賞のポイント配分
ここで注意したいのは、「ポイント賞のポイント」と「賞金」は別物だということである。
ポイントはマイヨ・ヴェール争いの順位を決めるためのもの。一方、賞金は中間スプリントの通過順位や、最終的なポイント賞順位に対して支払われる。
2026年大会では、ポイント賞の制度がスプリンター寄りに見直され、平坦ステージや中間スプリントの重要性が高まっている。中間スプリント1位のポイントは25ポイントに引き上げられ、平坦ステージではスプリンターがより多くのポイントを得られる構造になっている。
| 対象 | 1位のポイント | 主な意味 |
|---|---|---|
| 平坦ステージ | 70pt | スプリンター向け |
| やや起伏のあるステージ | 50pt | スプリンター〜パンチャー向け |
| 起伏の大きいステージ | 30pt | パンチャー向け |
| 山岳・難関ステージ | 20pt | 総合系・クライマー向け |
| 個人TT | 20pt | TTスペシャリスト向け |
| 中間スプリント | 25pt | 逃げ・スプリンターの争点 |
ポイント賞は「スプリンター賞」と呼ばれることもあるが、実際にはかなり戦略的な争いである。
ステージ優勝を何回取ったかだけではなく、中間スプリントでどれだけ取りこぼさないか、山岳ステージをどう耐えるか、完走してパリまでポイントを持ち込めるかが問われる。
山岳賞はポイントと賞金が別に動く
山岳賞も、ポイントと賞金を分けて考える必要がある。
マイヨ・ア・ポワは、山岳ポイントの合計で争われる。山岳ポイントは、登りの難易度によってカテゴリー分けされ、超級、1級、2級、3級、4級の順に配点が変わる。
| 山岳カテゴリー | 山岳ポイント |
|---|---|
| 超級 | 20-15-12-10-8-6-4-2 |
| 1級 | 10-8-6-4-2-1 |
| 2級 | 5-3-2-1 |
| 3級 | 2-1 |
| 4級 | 1 |
一方で、山岳地点の通過順位には、ポイントとは別に賞金も設定されている。
| 山岳カテゴリー | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 超級 | 800ユーロ / 約15万円 | 450ユーロ / 約8万円 | 300ユーロ / 約6万円 |
| 1級 | 650ユーロ / 約12万円 | 400ユーロ / 約7万円 | 150ユーロ / 約3万円 |
| 2級 | 500ユーロ / 約9万円 | 250ユーロ / 約5万円 | — |
| 3級 | 300ユーロ / 約6万円 | — | — |
| 4級 | 200ユーロ / 約4万円 | — | — |
ここが面白いところである。
超級山岳を先頭通過すると、山岳ポイントは20ポイント。しかし賞金は800ユーロ、約15万円である。4級山岳を先頭通過すると、山岳ポイントは1ポイントで、賞金は200ユーロ、約4万円である。
つまり、単純に「1ポイント=いくら」と決まっているわけではない。
山岳賞では、マイヨ・ア・ポワ争いとしてのポイントと、各山岳地点の通過順位に対する小さな賞金が並行して動いている。
ヤングライダー賞、チーム賞、敢闘賞にも賞金がある
ツール・ド・フランスには、総合、ポイント賞、山岳賞以外にも、さまざまな賞金がある。
25歳未満の選手を対象とするヤングライダー賞、チーム全体の成績を競うチーム賞、積極的な走りを評価する敢闘賞などである。敢闘賞は各日の最も攻撃的な選手に与えられ、さらに大会全体のスーパー敢闘賞もある。
| 分類 | 賞金 | 日本円換算 |
|---|---|---|
| ヤングライダー賞 最終1位 | 20,000ユーロ | 約370万円 |
| ヤングライダー賞 ステージ1位 | 500ユーロ | 約9万円 |
| マイヨ・ブラン日当 | 300ユーロ | 約6万円 |
| チーム総合1位 | 50,000ユーロ | 約925万円 |
| ステージごとのチーム賞 | 2,800ユーロ | 約52万円 |
| 敢闘賞 各日 | 2,000ユーロ | 約37万円 |
| スーパー敢闘賞 | 20,000ユーロ | 約370万円 |
チーム賞があるのは、ロードレースらしい点である。
自転車ロードレースでは、画面に映る勝者は一人でも、その裏にはチームメイトの働きがある。風よけ、補給、集団コントロール、山岳でのペースメイク、落車後の復帰支援。エースの勝利は、チーム全体の仕事の結果である。
その意味で、チーム賞やチームメイト関連の賞は、ロードレースが個人競技でありながらチームスポーツでもあることを示している。
ツールには特別賞もある
ツール・ド・フランスには、歴史や文化を反映した特別賞もある。
たとえば、ツールマレー峠の先頭通過者に与えられるスーヴニール・ジャック・ゴデ、ガリビエ峠の先頭通過者に与えられるスーヴニール・アンリ・デグランジュなどである。ツールマレーやガリビエは、ツールの歴史を象徴する峠として扱われてきた。
| 特別賞 | 内容 | 賞金 | 日本円換算 |
|---|---|---|---|
| スーヴニール・ジャック・ゴデ | ツールマレー峠の先頭通過者 | 5,000ユーロ | 約93万円 |
| スーヴニール・アンリ・デグランジュ | ガリビエ峠の先頭通過者 | 5,000ユーロ | 約93万円 |
| 週間ベストチームメイト | 1回あたり | 2,000ユーロ | 約37万円 |
| ツール全体のベストチームメイト | 最終選出 | 3,000ユーロ | 約56万円 |
こうした特別賞は、金額だけを見ると大きくない。
しかし、ツール・ド・フランスが何を大切にしているかはよく分かる。伝統ある峠を先頭で越えること。チームのために献身的に働くこと。攻撃的にレースを動かすこと。ツールの賞金制度には、レース文化そのものが反映されている。
賞金は選手個人がそのまま受け取るとは限らない
ロードレースでは、獲得した賞金を選手個人がそのまま受け取るとは限らない。
多くの場合、チーム内で賞金をプールし、選手やスタッフに分配する慣習がある。総合優勝者やステージ優勝者が一人で賞金を独占するのではなく、アシスト選手や裏方のスタッフにも分けられることが多い。
これはロードレースの性質を考えると自然である。
総合優勝者は一人だが、その勝利は一人では成立しない。エースを風から守る選手、山岳でペースを作る選手、補給を運ぶ選手、危険な場面で位置取りを助ける選手がいる。
そのため、賞金も「勝った選手だけのもの」ではなく、チーム全体で分けるものとして扱われる。
ツールの賞金は、少ないのか
ここまで見ると、ツール・ド・フランスの賞金制度はかなり細かいことが分かる。
ステージ順位、総合順位、リーダージャージの日当、中間スプリント、山岳地点、ヤングライダー賞、チーム賞、敢闘賞、特別賞。3週間のあらゆる場面に賞金が設定されている。
一方で、金額だけを見ると、世界最大級のスポーツイベントとしては決して高額ではない。
ステージ優勝は約204万円。マイヨ・ジョーヌの日当は約9万円。総合優勝でも約9250万円である。
もちろん一般的には大きな金額である。しかし、ツール・ド・フランスの知名度、過酷さ、世界中継、スポンサー価値を考えると、賞金そのものは競技の価値を十分に表しているとは言えない。他のメジャースポーツと比べても、ツールの賞金は控えめである。
だからこそ、ツールの本当の報酬は賞金の外側にある。
ステージ優勝は、選手の市場価値を上げる。マイヨ・ジョーヌ着用は、スポンサーに大きな露出をもたらす。総合上位は、翌年以降の契約やチーム内での立場に直結する。
ツール・ド・フランスの賞金は、選手がそれだけで稼ぐものというより、レース内で何が評価されるかを示す制度である。
まとめ:ツールの賞金制度は、レースの見方を変えてくれる
ツール・ド・フランスの賞金は、総合優勝者だけに支払われるものではない。
ステージを勝つ。リーダージャージを着る。中間スプリントを取る。山岳を先頭で越える。チームとして上位に入る。積極的にレースを動かす。そうした一つひとつの行為に、細かく賞金が設定されている。
金額だけを見れば、ツールの賞金は意外と控えめである。
しかし、その細かい配分を見ると、ツール・ド・フランスが何を評価しているのかが見えてくる。
勝者だけでなく、逃げた選手、山岳で動いた選手、チームを支えた選手、パリまで走り切った選手にも報酬がある。
ツール・ド・フランスの賞金表は、単なる金額一覧ではない。3週間のレースをどう見るかを教えてくれる、もう一つの観戦ガイドである。


